ビジネスマンにとって、Vゾーンは第一印象を左右する大きな要素です。ぜひスーツとネクタイを引き立たせるシャツを選びたいですね。
また、夏のクールビズも定着し、シャツのみ着用する機会も増えました。
だいたい週5日、1年の内ほとんどは着ているシャツだからこそ、とびきり上質で自分の身体にぴったりと馴染むお気に入りのものを選んでみませんか?
お手入れやメンテナンスも込みで「育てていく楽しみのある高級シャツ」をご紹介します。
このページの目次
007歴代のジェームスボンドが着用、イギリスの王侯貴族御用達シャツ
Turnbull&asser(ターンブル&アッサー)
高級シャツの代名詞とも言える「ターンブル&アッサー」のメンズシャツは、007の歴代ジェームズ・ボンドが着用したことでも有名です。
ターンブル&アッサーは、ロイヤルワラント「王室御用達認定証」を冠し、300年以上の歴史と実績を備えた王室御用達の最高峰とも言えるイギリスの高級紳士衣料メーカーです。
チャールズ皇太子と二人の王子が着ているシャツやネクタイはいつもこのターンブル&アッサーのもので、英国の王室のみならずヨーロッパの王室や貴族にもよく利用され、世界中の政治家や財界人に顧客が多い人気の老舗店です。
イギリスのこうした老舗のほとんどは19世紀後半ヴィクトリア時代に創業しており、いわゆるジェントリー(地主)階級といわれる、乗馬、狩猟、スポーツを愛好する上流人志士に、彼らの地位や美意識にふさわしい衣装を提供し続けてきました。
1974年製作のアメリカ映画「華麗なるギャツビー」や、有名な小説の中にも頻繁に登場し、その人物の経済力、社会的地位、服装の好み、交友関係などが読者に伝わるという、その伝説を生むシャツの秘密とは?
1932年にはじまったといわれるカラーシャツの起源は、戦争後の不景気の中大人気だった演劇の、ターンブル&アッサーが手がけた舞台衣装でした。
これらのカラフルでお洒落なシャツを顧客たちのために作り始めたのをきっかけに、紳士の服装はそれまでとはまるでちがったものとなり、新しいデザインのメンズシャツやネクタイがみるみるうちに広まりました。
ターンブル&アッサーのシャツは「ビスポーク」と言われるオーダーメイドで作られる事が多く、カラーや袖口のカフスが特徴的ですが、特にシャツの命である、カラーの出来、不出来が直接シャツの着心地のよしあしとなって品質を左右します。
「奇跡の襟」と言われる、そのカラーの裁断という大役を数十年担っているのが90歳を超えるチャップマン氏です。
今までに8人の国王のカラーを切ってきたという自負があるチャップマン氏が、くり小刀のような形をした先が丸味をおびたナイフで切り出すシャツのカラーは、首筋にぴたりときまります。
イギリスでは直接肌に着るワイシャツはあくまでも下着と定義されていて、頻繁に洗濯することを前提に作られています。
ターンブル&アッサーのシャツは裏返すとシャツの縫い目に切りっぱなしの耳が見えているところは1箇所もなく、すべて袋縫いされており、それでいて縫い目がゴワゴワしないのが腕の見せ所です。
素材はシーアイランドコットンという、カリブ海、西インド諸島の限られた島からしか産出されない希少なコットン(綿)で、その強度はもちろん、光沢と柔らかさは他に類を見ないほど上質な生地で、ボタンはすべてマザーパール。
名人芸というものは目には見えず、製品の上に見えるわけでもなく、かといって製造の工程にも見えるものではありません。
ところが身につけた時に不思議な着心地のよさがあり、自分の身体にもう1枚皮膚を重ねた様な感じがするものです。しかも、洗うごとに身体になじんでいき、育てる楽しみがあるのが高級シャツならではの醍醐味です。
ターンブル&アッサーで働く人達はみな口をそろえてこう言います。
「もう絶対に他のシャツなんか着られなくなるからね。私たちのを一度着てしまうとさ。」
ターンブル&アッサーのメンズシャツは細めのシルエットに色柄も豊富で、もちろんそのまま着てもおしゃれなので夏のクールビズにも最適です。
栄誉ある一流ブランド店の証、ロイヤルワラント「王室御用達認定証」
英国王室御用達認定「ロイヤルワラント」の歴史は古く、商人が君主の礼服、勲章を作り、宮殿の天井の修復や壁などのペンキ塗りに至るまで さまざまなきめ細かいサービスを提供した報酬として与えられたのが始まりです。
現在では約800の企業や個人が認定を受けており、最初に国王の認可を得たのは商人の同業組合(ギルド)で、15世紀になると君主に商品を納入する商人は今日のロイヤルワラントとして認められるようになりました。
最古はボタンメーカーのファーミンで、1606年以来300年以上の歴史をもつイギリスのボタン工場の老舗です。
この英国の「王室御用達認定証」は、日本の皇室御用達とはかなり性格が異なっており、名前を宣伝に利用できるようになっています。
10年くらい前まではメーカー公表ははばかられていましたが、近年では、王室の紋章を商品やパンフレットに利用するなど幅広く用いられています。
現在、認定できるのは、エリザベス2世女王とその夫のフィリップ (エディンバラ公)、そしてチャールズ皇太子のみで、3人揃っての認定を授かっているのは僅か10件前後となっています。
イタリア製も人気、着心地&コスパ抜群のハンドメイド高級シャツ
ターンブル&アッサーのシャツは既製品で35000円位〜、オーダーメイドのビスポークシャツになると一回のオーダーで3枚以上の注文が必須となり、15万円ほどからと言われ、やはりシャツとしては価格も最高級です。
人気ブランドの多いイタリア製のシャツでは、ハンドメイドでもう少し手が届きやすい価格で品質はお墨付きのブランドがいくつかあります。
BARBA(バルバ)
BARBA(バルバ)は、1964年にイタリアのナポリで兄弟により小さなシャツ工房として創業され、現在ではイタリアを代表するシャツメーカーとなっています。
その高い技術力、カラフルなデザイン、やわらかい袖と襟は身体によくなじみ着心地がよいことが特徴です。夏には麻と綿の混紡のものが見た目にも涼しげでおすすめです。価格は30000円くらい〜。
LUIGI BORRELLI(ルイジ ボレッリ)
同じくイタリアのナポリで、1957年に創業されたLUIGI BORRELLI(ルイジ ボレッリ)。
「着たときに一番リラックスしてもらえるようなシャツ」を目指しており、少しふっくらとした形からもわかるように、やわらかさがあって着心地がばつぐんです。
着ているうちにだんだん生地がやわらかくなり、身体になじんでくるシャツは世界中に愛好者が多くいます。価格は同じく30000円くらい〜。
高級クリーニング店おすすめの洗い方、シミの応急処置、アイロンがけ
洗いすぎは生地を傷めます
洗濯機で長く回しても綺麗になるわけではなく、生地を傷めるだけです。
汗汚れなどの水溶性の汚れは、水が繊維を通り抜けるだけで取れるので、実は、洗濯機は2分も回せば十分です。
脱水機のかけすぎも余計なシワを作ってしまうので、脱水時間は1分で。
ただし、気になる襟汚れの黒ずみなど、汚れのひどい部分は、洗濯機に入れる前に押し洗いをします。
その後、襟の補助芯(カラーステイ)を抜き、水がくまなく抜けるようにYシャツのボタンはすべて外しましょう。
すすぎも、全体の汚れが落ちているのを確認したら、短時間でOKです。
干す前に、特に縮みやすい襟と袖をよく伸ばす
また、洗い上がったシャツを干す前に全体のシワを伸ばすのはマストですが、その中でも襟と袖のシワを伸ばすことが重要です。
ここは乾いた後では修正が難しいので、縫い目を引っ張りきちんと伸ばしておきましょう。
干す前に全体についたシワを叩いたり引っ張ったりして伸ばし、干す時は風が抜けるように、ボタンは上2つだけを留めて陰干しします。
醤油やワインなどのシミの応急処置
醤油やワインなど水溶性の汚れは、水道水を流しっぱなしでかけ、水流の力で汚れを落とします。
例えばお刺身で使った醤油などは、油溶性と水溶性両方の汚れを落とす必要があります。
はじめにベンジンなどで叩いて油溶性の汚れを落とし、その後水道水の水流で水溶性の汚れを落とします。
こうして汚れを落としても、色が残ったまま3日くらい経ってしまうと変色してしまい、漂白が必要になる場合があります。
その場合、塩素系漂白剤は即効性はありますが生地を傷めやすいので、酸素系漂白剤をおすすめします。
酸素系漂白剤は、酸化の酸素を抜くという化学反応で漂白効果が現れます。
適量を40℃以下の水温で使用すると効果が速く出やすいです。
状態によっては数時間浸けておきます。
出張先でやってしまった!歯磨き粉&歯ブラシを使った応急処置
知らないうちに付いてしまったソースなどのシミ。
まずは、表に残った汚れをティッシュで拭い、裏返して、汚れた部分の下にティッシュを置きます。
歯ブラシをお湯で濡らし、歯磨き粉を少量つけ、毛先で汚れを叩くようにブラッシングすると、下のティッシュに汚れが移っていきます。
表に返して汚れた部分をブラッシングし、汚れ落ちを確認したら、ブラッシングした部分をお湯ですすぎます。
その後タオルで水分を移し取れば、たいていの汚れは落ちているはす。
応急処置後は早めにお洗濯しましょう。また、それでもキレイにならなかった場合はクリーニングにお任せしましょう。
アイロンがけのコツ
まず、アイロンは、コード付きのパワーがあるもの、重みのあるものを選びましょう。
温度やスチームをパワフルに使いこなせて、アイロンの重みでシワを伸ばすのが容易になります。
また、しつけと言われる、アイロンがけ前に衣類を広げて手で丁寧にシワを伸ばしておくことも肝心です。
ご家庭で用意するのはなかなか難しいかもしれませんが、できれば平台を使うのがベストです。
テカリが出ないように、生地の裏側からアイロンをかけましょう。
それでも十分表面のシワがとれます。
そで口はひっくり返すのが大変なので表面をアイロンがけしてもokです。
そしてなんといってもアイロンがけは順番が大切。
①袖口のカフ→②袖→③背中(シワにならないよう、半分ずつ)→④右前(ボタン部分は間を縫うように)→⑤左前→⑥台襟→⑦襟(細かいシワが出ないよう押すようにプレス)
キレイに見えるためのポイントは、袖と縫い目、襟と前立てをしっかりとアイロンがけすること。また、プレス後にハンガーに吊るして気になるシワにスチームをあてます。
効果的なクリーニング活用法
クリーニングのタイミング
自宅の洗濯では落ちきれない汚れが残ると、特に白いワイシャツだと黄ばみや襟や袖の黒ずみが目立つようになってしまいます。
これは、色の濃いシャツも見えにくいですが同じように汚れが残っています。
クリーニングに出すタイミングとして理想的なのは、洗濯3回につき1回ほどですが、最低でも月に1度は出すことをおすすめします。
また、汗などの水溶性の汚れも落とす必要があるので、ドライクリーニングは避け、汗抜きやウェットクリーニングなど、水洗いクリーニングを選びましょう。
その際、襟に入っている芯が熱に弱いので、油分を落とすために80℃もの高温で水洗いするようなクリーニングも避けましょう。
良心的なお店だと、少し高価ですが生地を傷めずに油分を落とすことのできるオレンジオイルを使っている場合もあります。
また、仕上げは機械でプレスするクリーニング店がほとんどで、綿素材はプロにとってもアイロンでキレイに仕上げるのがなかなか難しいものです。
せっかくのこだわりの縫製を活かすなら手仕上げのアイロンがおすすめです。
クレアンの高級クリーニング“マイクロバブルウォッシュ”
特殊な技術で発生させた、1ミリの0.001倍の極小マイクロバブルで完全水洗い。
天然水を使い、特殊洗剤の洗浄力を最大限に引き出す水温で管理。
それら全てが、生地の痛みを最小限に、汚れは最大限に落とすために編み出された技術です。
ドライクリーニング対応のウール、シルクやカシミアなど繊細な生地も風合いを損ねることなく水洗いができ、汗汚れもスッキリと落とします。
洗濯で落ちなくなってしまった襟や全体の黄ばみは、特殊漂白で元の状態に復元します。あきらめてしまう前に、お気軽にご相談ください。
マイクロバブルウォッシュについて詳しくはこちらの動画をご覧ください。→『マイクロバブルクリーニング』
仕上げは、職人による丁寧な手アイロンで。
お気に入りのシャツを愛用する
着るほどに自分の身体にぴったりと馴染んでいき、見た目の風合いの変化も楽しめる高級シャツ。
価格は手頃とはいえないかもしれませんが、だいたい週5日、1年の内ほとんどはシャツを着ていることを考えると、その快適な着心地や周りへの好印象、結果的には長く持つこと、気分良く着れることなど、それだけの価値があるのではないでしょうか。
ぜひ形や色柄などお気に入りのブランドのものを見つけて、上手にお手入れをしてシャツを育てる楽しみを味わってみてくださいね。