世界が認めた日本のファッション、その先駆けとなったデザイナー~イッセイ・ミヤケ~

広島、東京、パリ、ニューヨーク。それぞれの都市での体験がイッセイ・ミヤケをつくった


三宅一世 参照:https://www.fashion-headline.com/article/5708

イッセイ・ミヤケを設立した三宅一生は、1938年に広島市で誕生しました。少年期には広島市内で過ごし、大学は東京、そして、パリ、ニューヨークでのデザイナー修行と、個性的な都市での生活を体験します。それぞれの都市で三宅は多くの刺激を受け、その要素を自分のデザインへと反映することによって、世界的なブランド「イッセイ・ミヤケ」をつくりだしていきました。

デザインの風を感じた広島の少年

三宅一生が少年時代を過ごした時代の広島は、第二次世界大戦の傷がまだ癒えず、まさに焼け野原と言っても良いほど荒廃していました。しかし、急速に復興していく街の姿は、三宅にとって、非常に興味深く刺激的なものでした。
中学、高校と美術部に所属していたこともあり、復興と鎮魂のために設計された「広島平和記念公園」や「平和大橋」の優れた意匠とデザイン性に三宅は深く感銘を受けます。特に日系アメリカ人であるイサム・ノグチが欄干のデザインを担当した、平和大橋と西平和大橋の「昇る太陽」と「船の舳先」には大きな影響を受けたと言います。
広島での美術やデザインに興味を持った少年時代こそ、後に世界的なデザイナーとなる才能と気風が育まれた期間だったと考えられます。

日本ファッション界で注目を浴びた大学生

高校を卒業した三宅は東京の多摩美術大学図案科(後のデザイン科)へと進学します。東京での三宅は、ファッションデザインに興味を持ち、装苑賞に応募します。すると、第10回、第11回と立て続けに佳作を受賞、大手化学メーカーの東レからカレンダーの撮影に使用する衣装づくりのオファーを受けるなど注目を集めていきます。
大学を卒業すると、初コレクションである「布と石の詩」を発表しますが、日本にはとどまらず、すぐに服づくりを学ぶためにパリへと渡ることになります。

激動するパリでの修行時代とニューヨークでのデビュー

1965年にパリへと渡った三宅は、サンディカという服づくりの学校で基礎を学びます。その後ギラロッシュやジバンシーといった名門のメゾンでアシスタントとして働きます。
この頃のパリは、オートクチュール全盛の時代からプレタポルテに主流が移ろうとしている時代でした。三宅も世界ファッションの中心地でさまざまな影響を受けます。特に印象深かったと述懐するのは、1968年の「5月革命」です。この時期は欧米や日本でも学生運動が活発化していて、5月革命はパリでおこなわれた学生主導の大規模なゼネラル・ストライキでした。
三宅は、労働者階級や学生など、ストライキに参加している人々を目の当たりにして、一部の富裕層ではなく、このような一般の人々が着る洋服をつくりたいと考えます。その考えが、当時のヨーロッパ的なフィット感がある服ではなく、一枚の布をまとうような洋服、現在もイッセイ・ミヤケのコンセプトになっている「一枚の布」という発想を生んだといいます。
パリで4年間過ごした三宅は、1969年にニューヨクに渡り、1年ほどジェフリービーンのもとで働いた後帰国します。1970年には「三宅デザイン事務所」を設立。71年にはニューヨクコレクション、73年にはパリコレクションに参加し、日本初の世界的ブランドの道を歩み始めるのです。

スティーブ・ジョブズも愛したイッセイ・ミヤケ


参照:https://courrier.jp/news/archives/59706/

イッセイ・ミヤケのデザインはシンプルで機能性を重視したもの。そのデザインコンセプトから、世界的な企業であるソニーがユニフォームとして採用しています。
そして、もうひとり、イッセイ・ミヤケのデザインをこよなく愛した伝説的な人物がいます。それがアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズです。彼は来日したときにソニーの工場を見学して、ユニフォームに魅せられたといいます。その構造は袖にファスナーがついていて、取り外してベストにもなるという画期的なものでした。
ジョブスは帰国後、アップルのユニフォームとしてイッセイ・ミヤケを採用しようとしましたが、ほかの経営陣から反対され、実現はしませんでした。しかし、彼は自分の「ユニフォーム」として、イッセイ・ミヤケを選びます。
彼のトレードマークとも言える「黒いタートルネック」、それはイッセイ・ミヤケのものです。スティーブ・ジョブズの家には100枚以上の黒いタートルネックがきれいに畳まれて収納されていたといいます。シンプルで機能的なイッセイ・ミヤケのデザインは、世界的な天才にも愛され、知名度も大きく上がりました。

コンセプトは「一枚の布」

三宅一生の服づくりは、洋服をつくりはじめた当初から現在まで「一枚の布」というコンセプトで貫かれています。このコンセプトは、三宅が生まれ育った日本を含む東洋と、洋服つくりの本場である西洋の境界をなくして、「身体とそれをおおう布、その間に生まれるゆとりの関係を根源から追求する」ことを目指しています。
少し難解ですが、それがほかのブランドと一線を画す点でもあり、コンセプトを実現するために、1本の糸から研究をして、オリジナルの素材までも開発、服作り以外の分野でも革新的な人材や技術を展開しているのです。

日本の伝統的な素材や技術にこだわる

三宅の素材に対する情熱は非常に強く、特に日本の伝統的な製法でつくられる素材を好んで使用しています。デザイン自体はパリでおこないますが、素材の確保には自らが日本各地に行き、自分の意図を話して生地を織ってもらい、染めてもらったと言います。
また、不要になった衣類のポリエステルを再生して、再び糸にするハイテクな技術を利用して、新たなブランドを展開。伝統的な製法と、最新のテクノロジーを駆使した製法を、イッセイ・ミヤケでは現在でも研究し続けています。

世界的な評価を得る天才デザイナー

実は、三宅一生はあまり表舞台に出ることはなく、その私生活などは謎の部分も多い人物です。子供の頃、広島で被爆をしたと公表したのも2009年のことでした。ニューヨーク・タイムズ誌への寄稿で明らかにしたもので、彼は同時にファッションデザイナーになった動機について「破壊されてしまうものではなく、創造的で、美しさや喜びをもたらすもの」がやりたかったと記しています。
三宅一生は、その希望通り創造的で美しいファッションで世界的な名声を得ました。1993年にはフランスレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、イギリスロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉博士号を授与。1999年には米週刊誌『TIME』アジア版において、「今世紀最も影響力のあったアジアの20人」に選出されます。そのほかにも、メトロポリタン美術館など、世界的な美術館、博物館での展示など、世界に「日本人デザイナー」を認知させた先駆者となったのです。

イッセイ・ミヤケのアイテム

イッセイ・ミヤケは、「株式会社イッセイ・ミヤケ」が展開するブランドのひとつです。ほかのブランドとは少しラインが違っていて、各ブランドに明確なコンセプトがあり、アイテムや素材も違っています。今回はブランドごとに特徴をご紹介したいと思います。

バオバオ


参照:https://laxus.co/app/pc/product_detail/index/1015541

イッセイ・ミヤケが展開するバッグブランドです。三角形を構造体として組み合わせることによって生まれるフォルムの変化、偶然がもたらす美しさを表現したバッグです。通常のバッグとは違って、形状の変化を楽しめるコンセプトとなっています。もちろん、実用性にも優れていて、日常使いからオフィシャルなシーンまで使用できます。

プリーツプリーズ


参照:https://www.style-eco.com/brand_colum/isseymiyake/7878.html

ブランド名の通り、「プリーツ」加工をした素材を使用しています。ただ、このプリーツ加工はイッセイ・ミヤケが独自に開発したもので、服の形に縫製した後にプリーツをかける「製品プリーツ」と呼ばれるものです。
着心地がよく、シワにならなくて水洗いもできるという利便性、軽くて持ち運びにも適している汎用性など、現代に生きる女性のために開発されたブランドです。

イッセイ・ミヤケ

参照:https://www.fashion-press.net/brands/6

イッセイ・ミヤケが展開するすべてのブランドの原点。デザイナー三宅一生のコンセプト「一枚の布」を継承するブランドです。1本の糸から開発されたオリジナル素材、ゆったりとしたフォルムなどが特徴的です。
イッセイ・ミヤケの素材は、変化に富み、通常では洋服に使用されないものもあります。クリーニングのときには、必ず素材の確認をしておきましょう。

さまざまな素材を適切にクリーニング


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