見た目にも手触りにも「上質さ」を感じさせる高級素材の洋服たち。
けれどその魅力の裏には、繊細さゆえの扱いにくさも潜んでいます。
ここでは、クレアンでも多くご依頼をいただく代表的な高級素材3選と、それぞれに必要なケアのポイントをご紹介します。
「この服、大丈夫かな?」と感じた時の判断材料にも、ぜひお役立てください。
シルク(絹)
蚕(かいこ)の繭から作られる、天然繊維の中でも特に上質な素材。上品な光沢となめらかな肌触りで、ラグジュアリーウェアの定番とも言えます。
ブラウスやワンピース、スカーフなど、直接肌に触れるアイテムにもよく使われます。
シルクは水に非常に弱く、濡れると縮みやすく、色もにじみやすいという性質があります。また、日光や汗にも敏感で、変色・黄変の原因になることも。
摩擦による生地傷みも起きやすいため、洗浄・乾燥・仕上げまで、すべてにおいて繊細な対応が求められます。
ベロア / ベルベット
どちらも起毛感と光沢が美しい高級素材ですが、織り方や素材、風合いには明確な違いがあります。
ベルベットは織物で、シルクやレーヨンを使用したものが多く、なめらかで上品な光沢が特徴。
肌触りも非常に柔らかく、伸縮性はほとんどありません。そのため、フォーマルドレスやコートなど、格式あるアイテムによく用いられます。
一方のベロアは編み物(ニット)で作られており、綿やポリエステルが使われることが一般的。
ストレッチ性があり厚みもあるため動きやすく、ドレスからカジュアルウェアまで幅広いアイテムに使われています。光沢感はベルベットに比べてやや控えめで、温かみのある印象です。
どちらも起毛がつぶれやすく、水ジミやテカリにも注意が必要なため、素材ごとの特性を見極めた繊細なケアが欠かせません。
レザー(本革)
高級感と耐久性を兼ね備えた天然素材。ジャケットやパンツ、スカート、バッグなど、さまざまなファッションアイテムに用いられます。使い込むほどに風合いが変化する経年変化の味わいを楽しめるのも、レザーならではの魅力です。
一口にレザーといっても種類はさまざまで、なめらかでツヤのある「牛革」、軽くて柔らかい「羊革」、起毛加工が特徴の「スエード」「ヌバック」、水に強い「オイルレザー」など、特性も見た目も異なります。
それぞれに適した洗浄・保湿・仕上げが求められるため、素材の見極めからメンテナンス技術まで、専門性の高さが仕上がりを左右します。
大切な一着にふさわしいケアを
高級素材は、ひとつとして同じ性質のものはありません。だからこそ、クリーニング店も素材に精通したお店を選んでいただきたいと思います。
クレアンでは、素材の特性を見極めたうえで、洗浄・乾燥・仕上げまでを一着ごとに調整。マイクロバブルウォッシュや手洗い、専用設備での専門クリーニング、脱水を一切行わない自然乾燥など、素材にやさしい方法を採用しています。
「大切だからこそ、まかせたい」そんな一着がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。