冬の装いに欠かせない、あたたかくて柔らかい天然素材たち。
カシミヤやアンゴラ、アルパカといった高級素材は、その見た目の上質さだけでなく、軽さや保温性の高さでも多くの人を魅了しています。
一方で、これらの素材は非常にデリケート。間違った洗い方や保管で、毛並みが傷んだり風合いが失われてしまうことも少なくありません。
今回は、クレアンでも多くお預かりしている「ふわふわ系の高級素材」5選について、それぞれの特性と取り扱いの注意点をご紹介します。
カシミヤ
カシミヤヤギのうぶ毛(産毛)から採れる、非常に細くて柔らかい天然繊維。「ウールの宝石」とも呼ばれ、軽やかでしなやか、それでいて高い保温性を持つことから、マフラーやコート、ニットなど冬物に多く使用されます。
カシミヤは、摩擦や静電気によって毛玉ができやすく、毛並みが乱れると見た目の美しさが損なわれてしまいます。水洗いでは縮みや型崩れも発生しやすく、素材の風合いを残すためには、低刺激な洗浄と優しい仕上げが不可欠です。
虫食いにも弱いため、保管方法にも注意が必要となります。
アンゴラ
アンゴラはアンゴラウサギの毛から作られる、非常に柔らかくふんわりとした素材。軽さと温かさを兼ね備えており、冬のニットやコートに人気です。
繊維が細くて柔らかいぶん、毛抜けが起きやすく、摩擦で毛が絡まってしまうこともあります。また、水に濡れるとフェルト状に固まってしまいます。
毛の立ち方や風合いを残すためにクリーニングもアンゴラ用の調整が施された丁寧な工程が求められるほどデリケート素材なので、ご自宅での自己流クリーニングは避けて下さいね。
アルパカ
アルパカは南米原産の動物毛。しっとりとした手触りと耐久性、保温性の高さから、カーディガンや高級コートなどに重用されています。
見た目はウールに似ていますが、繊維の光沢や質感はより滑らか。
摩擦や湿気による傷みも受けやすいのが特徴です。クリーニングでも繊維を乱さないための技術が非常に重要となります。
また、乾燥時に高温をかけると風合いが損なわれるため、自然乾燥または低温乾燥といった工程が必要です。
モヘア
モヘアはアンゴラヤギの毛を使用した、独特のシャリ感とツヤ感が魅力の高級繊維。軽くて丈夫でありながら、高級感のあるドレープも作り出せます。
一方で、毛がからまりやすく静電気を帯びやすいため、ブラッシングや収納時の注意が必要です。
水洗いは毛の膨潤によってごわつきや縮みの原因になるため、繊維の構造を理解したうえでの洗浄技術が求められます。仕上げでも毛をつぶさず、自然な立ち上がりを保つ工夫が重要です。
ムートン / シアリング
羊の皮を毛付きのまま使用したラグジュアリー素材。ブーツやアウターに使われるほか、近年ではインテリア用品としても人気です。
皮革と毛が一体化しているため、洗浄時には両方の特性を考慮する必要があります。
強い洗浄や高温乾燥で硬化・型崩れを起こしやすいため、クリーニング中は温度・湿度管理も重要になります。
その一着を来年の冬も気持ちよく着るために
ふんわりとした手触りや、しっとりとした光沢。
天然素材の魅力は、手入れ次第で長く楽しむことができます。
クレアンでは、素材の特性に応じて洗浄方法・乾燥温度・仕上げまでを調整し、一着ごとに最適なケアを行っています。
「お気に入りのニットが縮んだ」「風合いがごわついた」そんなお悩みが出る前に、ぜひご相談ください。