ビジネスシーンで第一印象を決めるスーツ。
素材が上質で仕立てのいいスーツは、着心地がいいだけではなく、ランクアップして見せてくれる男性には必須のアイテムです。
上質なメンズスーツというと、ファッション性のあるものから、伝統的なものまで、たいていウール素材で作られています。
スーツというとウールが一般的ですが、冬の印象が強いもの。
しかし、織り方や混紡によって、夏のクールビズとしても、ウールはスーツにぴったりの素材なのです。
また、上質なスーツだからこそ、嗜みとして丁寧なお手入れは欠かせません。
キレイに手入れが行き届いたスーツを着こなす大人の男性は、いくつになっても素敵に見えます。
ここでは、ウール素材の最新スーツ、お手入れ方法、ウールなどスーツの素材やその性質などをご紹介します。
2018年新作メンズサマースーツ
高級メンズスーツといえば、仕立てやブランドごとの定番の型はもちろんですが、世界のファッションの流行の動向による、その年ごとの最新のおしゃれなスタイルを見るのもまた楽しみですよね。
世界のセレブリティやリーダーシップをとる面々のスタイルは、私たちを大いに楽しませてくれ、着こなしの参考にもなります。
まずは人気ブランドの2018年春夏のスーツを3つご紹介します。
こちらは英国高級スーツブランドdunhill(ダンヒル)の2018年新作のサマースーツです。
1880年に馬具用品の卸売会社として創業、その後メンズに特化した衣類や小物を作り続けています。
上品で伝統性も感じさせながら、常にお洒落で男らしいアイテムは、ステイタスとしても人気が高く、幅広い年代に愛されています。
そんなdunhill(ダンヒル)の爽やかなペールブルーのスーツは、モヘアとウールのブレンド素材。モヘアは熱がこもりにくいため、夏には最適の素材です。上品な光沢があるのも魅力です。
Brooks Brothers(ブルックス・ブラザーズ)は、アメリカで最も歴史のあるアパレルブランドと言われ、2017年の大統領就任式では、トランプ氏、オバマ氏、新旧大統領はともにブルックス・ブラザーズのコートを着用するなど、世界中のエグゼクティブやハリウッドセレブに愛用者が多いブランドです。
そんなブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)が、“侍ジャパン”こと野球日本代表のオフィシャルスーツを手がけた第6弾。ブレザーは、やや深いVゾーンと細身のラペル、コンパクトな肩周りが特徴。
トラウザーズは、スッキリとした腿から裾にかけてのシルエットがシャープでモダンな印象です。
ブレザーには、素材の原料となる糸選びからこだわり、ブルックス ブラザーズだけが使用できる希少なSaxXon®(サクソン)ウールの糸を使用した侍ジャパンのために一から織りあげたオリジナルの布地を使用。
イタリアのローマにて創業したBrioni(ブリオーニ)。
言わずと知れた高級紳士服ブランドです。
最高級の素材と熟練職人によるハンドワークにこだわり、その格式高さと、相反する軽やかで着心地のよいスーツは「世界最高の既製服」とまで言われています。
上質なウールやシルクを使用して作られることが多いブリオーニのスーツの2018年春夏コレクションは、ソフトかつ確固とした男性像を確立するものであり、未来を見据えながらも伝統的なクラフトマンシップを称えるものです。
見るからに「よさそうな」スーツ、おしゃれに着こなせたら最高にカッコイイ”大人の男”ですね!
スーツに汚れや匂いがついてしまったら
せっかくの大事なスーツに、気になる汚れや匂いがついてしまうことも。
そんな時どうしたらいいのか、応急処置をいくつかご紹介します。
汚れてしまったとき
食事の場でスーツを汚してしまうこともあります。
すぐにやっておくこととして、しょうゆやコーヒーなど水溶性の汚れの場合は、しみの下にハンカチなどを置いて、上から固く絞ったタオルでたたき、下のハンカチに汚れを移します。
口紅やペンといった油性の汚れは、アルコールやベンジンを含んだ布でたたきます。
でも自分でやるとどうしてもシミになってしまいがち。
できるだけ早く染み抜きをして、ひどくなってしまう前に、プロのクリーニングにおまかせしましょう。
匂いが気になるとき
気になる匂いは、その種類により対応が変わります。
汚れもそうですが、匂いも、油溶性と水溶性のものがあるため、それぞれに応じて対応が必要になります。
タバコや焼肉などの匂いには、市販の消臭剤を使います。
よく使われている市販のものは、成分にアルコールと糖分が含まれています。これはアルコールで殺菌し、糖分が匂いを包み込むことで消臭するというものです。
しかし結果的には、匂いの元を落とすわけではなく、その状態で匂いの元が蓄積していくだけなので、そのままにしておくと悪臭に変化します。
おすすめは、ヒノキチオールや柿渋などの自然の成分を使ったものです。
どの消臭剤も、使用前に衣類に軽く霧吹きなどで全体を湿らせてから吹きかけると効果的です。
これは、生地を湿らせることで消臭剤の成分が行き渡りやすくなるためです。
香水の匂いは落とすのが一番難しく、それは香水がもともと匂いが消えない様に作られているためです。
汗の匂いは、基本的に洗わないととれないので、着用後にすぐに収納せず、必ず風通しのよい場所でしばらく吊るしておきましょう。
また、入浴後の湿った浴室に1時間ほど吊るしてから、風通しのよい場所に移動して陰干しするとさらに効果的です。
この場合、水滴などが直接スーツに当たるとシミになってしまうので、吊るす場所に気をつけましょう。
しかし、汗汚れも水で洗わないと蓄積していくので、汗汚れが気になった時は早めのクリーニングをおすすめします。
ただ、一般的なドライクリーニングは油性の汚れを落とすものなので、汗汚れは落とせません。
汗抜きやウェットクリーニングという名称が一般的になりましたが、水洗いのクリーニングを選びましょう。
警察犬は人間の1000000倍〜10000000倍もの臭覚をもっていると言われますが、犯人が川に逃げ込むと匂いも水に流れてしまい、それ以上の追跡が難しくなってしまうそうです。
それほど匂いは水に流れやすいということですね。
ウールスーツの日常のお手入れ
型崩れしにくく、保温性もあり、ポリエステルに比べて上質なイメージのあるウールですが、難点もあります。
それは、毛玉ができたり気軽に自宅で洗濯ができないなど、お手入れに手間がかかることです。
ここでは、自宅でできるスーツのお手入れ方法をご紹介します。
まず、できたら連日同じスーツは着ずに、1日着たら2日休ませるくらいのペースが最適です。
ウールには復元力があり、着た後にできたしわなどはハンガーにかけておけば自然に取れます。
また、シワや付着した埃にとても効果的なのが“濡れタオル”。シワには、固く絞った濡れタオルで伸ばします。
ウールは水分で復元するので、そのまま自然乾燥することでシワが戻ります。
また、付着した埃は濡れタオルで拭き取ることで確実に落ち、しかも生地の表面を傷めません。
どうしても深いしわについては、スチームアイロンをあてましょう。
パンツのセンターラインが薄くなっている時は、パンツプレッサーを使うか、当て布をしたアイロンを使いましょう。
スーツを脱いだらハンガーにかけ、軽く叩き、まずは下から上へ逆目にブラッシングし、ほこりや汚れを浮かび上がせてかき出します。
仕上げに上から下に向かって丁寧にブラッシンングし、毛並みを整えます。
ただし、強撚ウール素材(※)の場合は、毛足が短いためテカリやす埃も取りづらいのでブラッシングすると逆効果となってしまうので避けましょう。
また、粘着シートなどは生地を傷めることがあるので避けた方が無難です。ブラッシング用のブラシも、豚毛や馬毛など素材も様々あり、ブラッシングする衣類によっても使い分ける必要があるので、最適なブラシを選びましょう。
ちなみに、ウールスーツに使えてカシミアや着物などデリケートな素材にも使える、豚毛を手植えして作られている日本製の万能ブラシはおすすめです。
※強く撚りを掛けた糸で織ったウール素材。滑らかな風合いが特徴です。
スーツに使われる素材
スーツには様々な素材が使われています。
ウール(羊毛)、ポリエステル、コットン(綿)、リネン(麻)、シルク(絹)などです。
その中でもウールはしわになりにくく、冬は暖かく、夏は涼しい、型崩れしにくいといった点から、スーツでよく使用されています。
世界最高峰の生地メーカーと言われる、イタリアの2大メーカー、LoroPiana(ロロ・ピアーナ)やErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)の生地は最高級の天然素材にこだわり、そのウールやシルクなどの生地の品質の高さから、世界各国の最高級スーツブランドにも使用されています。
・オールシーズン
オールシーズン使われるのは、ウールとポリエステルです。
ポリエステルは化学繊維ですので、丈夫でしわになりにくく安価というメリットがあります。
その一方で、蒸れやすい、人工的なてかりが出るため安っぽく見えるというデメリットがあります。
そこで、ウールとポリエステルが混紡されているスーツもあります。
・春夏
ウールが一般的です。
ウールは織り方によって通気性が異なり、トロピカルという織り方は薄く荒い目で織られるため、サマースーツによく用いられています。
ウール以外では、シルクや、通気性が良いコットンやリネンといった素材も使われます。
ウールに混紡されることもあります。
ただ、カジュアルな印象があるため、かしこまったビジネスシーンでは似合わないことも。
・秋冬
保温性があり、高級感のあるウールが一般的です。
生産量の少ないカシミアは、軽くて保温性がウールより高いため、混紡して使用されることもあります。
冬用のウールの織り方として、ツイードやフランネルも人気です。
テーラー仕立てのこだわりの職人技
元々スーツは鎧から進化した衣類といわれています。
私たちが普段着として着用している衣服は平面的なものがほとんどですが、テーラーなどでオーダーメイドで仕立ててもらうスーツは非常に繊細な立体的な構造になっています。
たとえば、オーダーする方の体型に合わせ、着心地や見た目の美しさのために、肩や胸の部分の内部に布などを重ねて入れたりして、厚みが出る様に調整されます。これで猫背などの体型もカバーされます。
上質な仕立てのスーツでは、1着でなんと600種類ものパーツが使われているものもあります。
腕のいい職人は、お客様の計測の時におしゃべりをしながら測り、リラックスさせて、体に力が入った状態ではなく自然な状態を計測します。
それも、いいスーツを仕立てるための大事なテクニックの一つなのです。
また、通常の”しわを伸ばす”ためのアイロンがけではなく、体の形に合わせて腕などのきれいな曲線を作るためや、肩や胸に立体的に膨らみをもたせるなどの”成形”のために、手アイロンで微細な調整をします。
お洒落なメンズスーツで有名なイタリアのテーラーでは、テーラードアイロンといって加工前の生地、そして縫製の段階から計算して成形のアイロンがけがされています。
こうした熟練の職人技により、着た時に袖通りがよく、体型が最適に活かされ、堂々とした佇まいを演出するスーツが作り上げられます。
高級クリーニングが効果的な3つの理由
1.職人の手アイロンの技術で復元。
このように、生地から計算されたアイロン加工がしてあるような高級服を、一度洗ってしまうと仕立て上りの状態の再現はとても難しいですが、通常は機械仕上げのアイロンを、職人が手アイロンで仕上げることで少しでも元の状態に近い仕上がりになります。
2.特殊な水洗いの技術で汗汚れも落とせて、傷みが少なく、品質長持ち。
通常のクリーニングはほぼドライクリーニングとなり、表面上の油性汚れは落ちますが、汗などの汚れは落ちずにそのまま残るため、着用感が重くなり、繊維の傷みも早まります。
クレアンでは、高級衣類専門店として、高級ブランドのスーツも大切にクリーニングいたします。
通常のクリーニング店で対応できない素材や、ドライクリーニング対応になるものが、クレアンでは水洗いできます。
「マイクロバブルウォッシュ」という特殊な洗浄法により、生地を傷めず、ドライクリーニングでは残ってしまう汗汚れ、匂いもすっきり落とせます。
マイクロバブルウォッシュで水洗いしたスーツの軽さをぜひ体感してみてください。
マイクロバブルウォッシュについて詳しくはこちらの動画をご覧ください。→『マイクロバブルクリーニング』
3.プロによる安心の長期管理が可能、自宅でカンタン受け渡し。
オンシーズン後の長期保管の際の、カビや変色等でお困りのご相談をよくいただきます。
クレアンでは、クリーニング後にプロが最適な環境で保管するサービスがご利用いただけ、必要な時はすぐにお届けいたします。
ご注文は電話、FAX、インターネットにて承り、ご自宅で集荷、クリーニング後、ご自宅にお届けいたします。
クリーニングの頻度
気になるクリーニングのタイミングは、使用頻度や日頃のお手入れ状態にもよりますが、通常、週に2回前後の使用の場合、クレアンでは、衣替えの際の長期管理の前に、最低でもワンシーズン毎のクリーニングをおすすめしています。
また、ひどく雨に濡れたり汚れたりした時は早めにクリーニングに出しましょう。
クリーニングに出すと生地が傷むのでは?という懸念もありますが、汚れが蓄積していくことで生地の劣化も進むのも事実。
ノーリスクというわけにはいきませんが、同じクリーニングでも、ダメージが最小限で汚れを落とす方法を選びたいですね。
最適なお手入れで長く愛用する
程度の良いスーツ生地の劣化が目立ち始めるのはおよそ5~6年といわれ、高級なスーツでは、お手入れによっては数十年も大事に使われている方もいらっしゃいます。
大事なチャンスの時以外でも、身体に合った良いスーツを着用することは、動きやすさはもちろん、周りへの影響力も大きいといわれます。
できれば自分の身体にぴったりと合った上質な1着を仕立てて長く使いたいですよね。
余裕があるときはメンテナンスも楽しみの一つですが、忙しいときは気になってもなかなか手をかけれないこともあると思います。そんなとき、宅配クリーニングはとっても便利。大事な1着をいつでも万全に美しくケアしておけるように、クレアンの水洗いクリーニング&保管をぜひご活用ください。