オートクチュール界を支えた有名ブランドの低迷と復活~バルマン~

オートクチュールで一世を風靡したピエール・バルマン


ピエール・バルマン 出典:https://www.fashion-headline.com/article/12801

1950年代、フランスのパリは華やかなファッション産業が盛んでした。特に当時主流であったオートクチュールでは、クリスチャン・ディオール、クリストバル・バレンシアガ、そして今回ご紹介するピエール・バルマンが3大デザイナーと呼ばれ、全盛を誇っていました。

名デザイナーたちとの親交

ピエール・バルマンは、1914年イタリアとの国境近く、チーズの生産で有名なフランスのサヴォワで誕生しました。父は紳士服関係の卸売、母もブティックを経営していて、生まれたときからファッションを意識する環境でした。そのため、幼い頃からファッション業界を志し、20歳のころからパリのメゾンで修行を始めます。
師事したデザイナーは、ロベール・ピゲやリュシアン・ルロンなど当時の名デザイナー。また、修行中のメゾンで共に働いていたのは、ジバンシィやクリスチャン・ディオールなど、後に名声を得たデザイナーたちです。ピエール・バルマンは、才能溢れるこのようなデザイナーたちとの交流を通して、自分の才能も開花させていくのです。

頂点を極めたデザイン力

第二次世界大戦という混乱もありましたが、ピエール・バルマンは、終戦の年である1945年に自分のメゾンをオープンさせます。当初は資金的にも苦しかったそうですが、なんとかコレクションを発表すると、「覚醒ともいえる、ファッションの実質的機能に対する新たなビジョンで、フォルムを美しく強調し、フェミニンな魅力を際立たせた」などと著名人から高い評価を受けます。
その後も、身体にフィットするスリムなスーツや女性らしい柔らかさを表現したビスチェドレスなどを次々に発表。ニューヨーク・タイムズなど、世界中のプレスから称賛を受け、1950年代には クリスチャン・ディオール、クリストバル・バレンシアガと並び、ピエール・バルマンは世界3大デザイナーの一角と称されることになります。

ハリウッド女優も競って着用したドレス

ピエール・バルマンの成功は、芸能界からも大きな注目を浴びました。ハリウッドを始め、マレーネ・ディートリヒ、キャサリン・ヘプバーン、ブリジット・バルドーなど、世界の錚々たる有名女優たちが競うようにしてピエール・バルマンのドレスを身につけたのです。
その様子はフランスのル・モンド紙など、多くのプレスが報じています。このことによって、さらに「ピエール・バルマン」というブランドはセレビリティに認知され、演劇界のアカデミー賞とも言われる「トニー賞」衣装部門で受賞もしています。
また、ピエール・バルマンは、ファッションをトータルに演出するために、香水やバッグ、ウォレットなどのレザー小物など多くのアイテムを展開して、どれも成功を収めるのです。

低迷の時代と若き感性で現代に蘇った「バルマン」


出典:.https://spur.hpplus.jp/fashion/news/201604/01/RWZDkXA/

1970年代からはライセンス生産などもおこない、企業規模を拡大。ピエール・バルマンは順調にラグジュアリーブランドとして成長していきます。しかし、1982年に創立者であるピエール・バルマンが死去すると、ブランドは徐々に苦難の時代を迎えていくのです。

ピエール・バルマンの死去とブランドの低迷

ブランドの創立者であるピエール・バルマンの死去後は、アシスタントであったエリック・モンテルセンがデザイナーに就任します。その後10年程度はデザイナーやクリエイティブ・ディレクターが数人入れ替わり、ファッション界の注目度は徐々に下がっていきます。
さまざまなテコ入れをおこなうのですが、やはり、ブランドコンセプトと、招聘するデザイナーの相性が合わなかったり、時代の趨勢についていけないなどの理由でブランドは低迷。2000年に入ると、売上は半減してしまい、2004年には破産寸前まで危機が迫り、コレクションも中止を余儀なくされるのです。

ブランド復活の兆し

ピエール・バルマンの死後、ブランド名も「バルマン」となります。そして、バルマン復活の先陣を切ったのが、2006年にクリエイティブ・ディレクターに就任した、クリストフ・ドゥカルナンです。2007年にプレタポルテコレクションを再開すると、彼のモダンなテイストは今までのブランドイメージを一新させて、大きな注目を浴びます。特に肩を強調した「パワーショルダージャケット」などに象徴される革新的なデザインは、世界的にブームを巻き起こしたほどです。
彼のデザインが描き出す、力強い女性像は多くの共感を呼び、ファッション界での注目度は上昇していき、ブランド復活の狼煙をあげたのです。

若き感性による完全復活

復活の兆しを見せたバルマンですが、クリエイティブ・ディレクターであるクリストフ・ドゥカルナンは、2011年にバルマンを離れてしまいます。
復活の兆しが見えたとは言え、ブランドはコンセプトを創造するデザイナーがいなければ成り立ちません。順調に見えたブランド運営は失速してしまうのか、多くの人がそう思いました。
しかし、バルマンの復活はオリヴィエ・ルスタンという、25歳の若者によって継続されます。いえ、継続されるというよりも、さらにスピードを増し、ピエール・バルマンが築いた1950年代の栄光あるブランドへと完全復活したのです。

天才と称されるオリヴィエ・ルスタン


オリヴィエ・ルスタン 出典:https://www.elle.com/jp/fashion/trends/g154782/fpi-hm-balmain-olivier-rousteing15-05/?slide=1

2011年からクリエイティブ・ディレクターとなったオリヴィエ・ルスタンは、クリストフ・ドゥカルナンのアシスタントを務めていましたから、ピエール・バルマンのデザインコンセプトを踏襲しつつも、斬新なアイデアを盛り込んで、バルマンを改革します。
例えば、ナイキとのコラボレーションでスポーティなラインを強調したり、H&Mとコラボレーションをして、新たな境地を開拓しました。バルマンと言うと、その頃人々はまだ20世紀のオートクチュールをイメージする人が多く、比較的落ち着いた年代からの需要が多かったのです。
しかし、オリヴィエ・ルスタンは、その古いイメージを打ち破ることに成功し、若年層や力を入れてきたメンズなど、今までにない新規顧客の取り込みに成功しました。
また、彼のビジュアルからプレスも積極的に彼の写真を掲載して、さらに若者からの支持が広がっていきます。さらに、カニエ・ウェスト、ビヨンセやジャスティン・ビーバー、クリス・ブラウンからカール・ラガーフェルドなどなど、セレブリティとの交友関係も大きな話題となり、現在ファッション界では最も話題となっているデザイナーの一人となっているのです。

バルマンのアイテムとその特徴

現在ファッション界が注目しているバルマンのアイテムを紹介していきましょう。

Tシャツ


バルマンのロゴ入りTシャツは、もはや定番商品。多くの若者に人気のアイテムです。特徴的な書体で描かれたブランド名、また、メタリックのロゴも人気です。Tシャツなどのアイテムは、ロックスタイルを取り入れていますので、着やすくて手持ちのワードローブにも合わせやすくなっています。

香水


出典:https://www.fruugo.jp/-edt-17-v728492793/p-35351889-72034424?language=ja&ac=google

シャネルやディオールなど、ピエール・バルマンと同時期に創立されたオートクチュールのメゾンでは、香水を重要視する傾向があります。それは、「香り」というものが、ファッションの表現として重要な構成要素だと考えられていたからだといいます。もちろん、バルマンも例外ではなく、創業時から香水を製造していました。
最初につくられたのは「エリゼ64-83」、メゾンのある住所からつけられたと言います。その後も、ヴァンベール、ジョリ・マダム、イヴォアール、オードアマゾンなどのヒット作を生み出していきます。特筆すべきは1964年に発表された「ムッシュ・バルマン」。現在でも大人気を誇る男性用香水の傑作です。

オートクチュール


出典:https://apparel-web.com/collection/paris_hautecouture/115719

オートクチュールで始まったバルマンですが、時代の変化や低迷期が続いたため、2002年にオートクチュールラインは中止をしていました。しかし、2019年にクリエイティブ・ディレクターであるオリヴィエ・ルスタンは、オートクチュールを復活させました。
バルマンには長い年月受け継がれてきたクチュール技術があります。彼はそれを使いたかったのです。長く続いてきた歴史を継承するのも、老舗ブランドの役割と言えます。
オートクチュールはもちろん、高価ですが、当然ながら1点ものであり、自分の思い描くスタイルをデザイナーと作り上げていくものです。ただ、長く着るにはメンテナンスが重要になってきます。大切なドレスを不注意で着られなくならないように注意しましょう。

衣服のクリーニングも素材によってさまざま

ドレスなど、大切な衣服はプロのクリーニングが安心です。ご家庭で対応すると、洗剤や洗い方などを工夫しても、生地が傷んでしまったり、汚れが落ちなかったりする可能性が大きいので注意が必要です。

素材や汚れによって洗い方も変わる

クレアンでは、素材や汚れに合わせた500種類の洗浄方法があります。お手持ちの大切な衣類が傷んでしまわないよう、また、確実に汚れが落ちるように、プロの洗浄で対応しています。
そして、クレアンがおこなう「クリーニング」は、洗って汚れを落とすだけではありません。可能な限り購入した時の状態を保持して復元させることを心がけているのです。
大切な衣服や布製品はもちろん、バッグやシューズなどの革製品、絨毯やカーテンまでも、クリーニングで困ったことがありましたら、何でもご相談ください。

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