高級浴衣は自宅で洗って大丈夫?染めや絞りを守るクリーニング


有松絞りや注染など、職人の手仕事が生きる浴衣。来年も着たい大切な一枚ほど、夏の終わりに「自宅で洗っても大丈夫だろうか」と迷うものです。
浴衣は木綿だから洗いやすいと思われがちですが、染め方や生地のつくりによっては、色落ちや縮み、型崩れが起こります。絞りの凹凸や染めの美しさを残したまま仕上げるには、一般的な衣類と同じようには扱えません。

高級浴衣の家庭洗いが難しい理由

市販の浴衣には、洗濯機や手洗いに対応したものもあります。ただし、洗濯表示で水洗いができるからといって、次のシーズンも美しく着られるよう仕上げられるとは限りません。

浴衣は、素材や染め方、仕立てによって洗濯後の変化が異なります。水温や洗剤が合わなければ色落ちし、長く水に浸けることで白い部分へ色がにじむこともあります。
洗い方や乾かし方によっては、縫い目がゆがんだり、身頃が引きつれたりすることもあります。
乾いたあとにはアイロンが必要ですが、広い浴衣を家庭用のアイロン台で均一に仕上げるのは簡単ではありません。

絞り浴衣はアイロンのかけ方にも注意

有松絞りなどの絞り浴衣には、生地表面に細かな凹凸があります。
この立体的な表情は、絞り浴衣ならではの魅力ですが、上から強くアイロンを押し当てると凹凸がつぶれてしまいます。洗濯中に強くもんだり、無理に引っ張って干したりするのも避けなければなりません。
絞り浴衣は、汚れを落とすだけでなく、凹凸を押しつぶさずに乾燥・仕上げを行う技術が求められます。

注染や本染めは色落ちに注意

注染は、染料を生地の裏側まで通して染める技法です。プリントとは異なるにじみやぼかしが魅力ですが、染料の性質によっては洗濯時に色が出ることがあります。
家庭で洗う場合、ほかの衣類と一緒に洗わない、長時間浸け置きしない、濡れたまま放置しないなどの注意が必要です。
「去年も自宅で洗えたから大丈夫」とは限りません。着用や保管を重ねるうちに、染色や生地が変化している場合もあります。

浴衣は仕上げで着姿が変わる


浴衣は、汚れさえ落ちれば終わりではありません。衿や身頃、縫い目をまっすぐに仕上げることで、着たときの印象が変わります。

家庭で洗った浴衣に細かなシワが残っていると、着付けをしても全体がくたびれて見えますし、反対に、衿や身頃がきれいに仕上がっていれば、帯を締めたときにもすっきりと見えます。
高価な浴衣や、染め・絞りに特徴のある浴衣こそ、洗浄から乾燥、仕上げまで専門店へ任せる価値があるのです。

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