1頭からわずか30g。ロロ・ピアーナのベビーカシミヤはなぜ特別?

ロロ・ピアーナのコートに使われる「ベビーカシミヤ」。
ベビーカシミヤとは、1歳未満のカシミヤヤギから採れる希少な繊維です。

ロロ・ピアーナの現行モデル「スパーニャ・コート」は、ベビーカシミヤ100%の2層構造で、価格は139万7,000円。(2026年9月現在)
なぜこれほど特別な素材として扱われているのでしょうか。

ベビーカシミヤとは?

一般的なカシミヤは、カシミヤヤギの体を覆う粗い毛の下に生える、柔らかな下毛から作られます。寒暖差の大きいモンゴルや内モンゴルなどで暮らすヤギにとって、この細かな下毛は厳しい寒さから身を守るためのものです。
ベビーカシミヤも同じ下毛ですが、採れるのは1歳未満の子ヤギだけ。しかも採取できるのは一生に一度です。

1頭から採れるのはわずか30g

ロロ・ピアーナによると、1頭の子ヤギから得られるベビーカシミヤはわずか約30g。繊維の太さは13.5ミクロンです。
人の髪の毛は一般的に50〜100ミクロンほどなので、ベビーカシミヤの繊維はその4分の1から7分の1ほどの細さ。指で1本つまんで「細い」と感じられるようなレベルではなく、肉眼では太さの違いを見分けることも難しいほどの極細繊維です。

希少なのは、採れる量が少ないからだけではありません。
ロロ・ピアーナでは、子ヤギの繊維を成獣のカシミヤと分けて扱うために、生産者との取り組みに長い年月をかけてきました。採取された原毛を紡ぎ、織物にし、その柔らかさを生かした衣服へ仕立てる。
1着のベビーカシミヤコートには、希少な原毛だけでなく、採取から仕立てまで積み重ねられてきた時間と技術が詰まっています。

ロロ・ピアーナ「スパーニャ・コート」に見るベビーカシミヤの仕立て


ロロ・ピアーナを代表する「スパーニャ・コート」は、ベビーカシミヤ100%の生地を2層構造にして仕立てています。一般的なコートのように別素材の裏地を付けるのではなく、内側までベビーカシミヤで仕上げてあります。
生地に厚みと暖かさを持たせながらも、ベビーカシミヤならではの軽さや柔らかな手触りをそのまま生かせます。

デザインで目を引くのは、首元にすっと立ち上がるスタンドカラー。襟にはレザーのトリミングが施され、フロントにはホーンボタン、パッチポケットと小さなチケットポケットが配されています。背面はシングルベントで、全体はすっきりとしたシングルブレストの仕立てです。

装飾を重ねるのではなく、ベビーカシミヤそのものをたっぷりと使い、その軽さや柔らかさ、暖かさを一着のコートとして形にしているのがスパーニャ・コートです。

毎日着ない。ロロ・ピアーナがすすめる扱い方

ロロ・ピアーナは、ベビーカシミヤ製品を2日続けて着用しないよう案内しています。着用後に休ませることで、繊維が本来の構造や質感を取り戻すためです。
着用時にはバッグやベルトとの強い摩擦を避け、保管時は湿気や直射日光、高温を避けることも大切です。

ロロ・ピアーナのベビーカシミヤコートはクレアンへ

ベビーカシミヤのコートは「カシミヤを洗える」というだけでクリーニング店を選ぶのではなく、素材の特性やブランドごとの仕立てまで深く理解し、一着に合わせた処置ができるクリーニング店に託すべき衣類です。

クレアンでは、「カシミヤはこの洗い方」と一律に設定して処理することはありません。素材の特性、生地のつくり、縫製、付属品、汚れの種類まで一着ずつ確認し、洗浄・乾燥・仕上げの工程をコートに合わせて組み立てます。
仕上げでは、ベビーカシミヤならではの柔らかな毛並みやふっくらとした質感を引き出し、立体的なシルエットまで美しく仕上げていきます。
ロロ・ピアーナのベビーカシミヤコートを、これからも美しく着続けるために。大切な一着のクリーニングは、ぜひクレアンにお任せください。