3つの着物のクリーニング方法
着物・和服の洗い方(クリーニング)方法は大きく分けて3つあります。

- 「生き洗い」……エリや袖口の汚れだけをベンジン等で処理して、仕上げします。これは洗うというよりお手入れの分野に入ります。
- 「洗い張り」……きものをほどき反物の状態にして水でゴシゴシ洗い、縮んだ生地を乾燥時にのばし、また仕立て直しをします。手間が掛かりコストもとても高いものになります。
- 「丸洗い」……ドライクリーニングできものをまるごと洗います。比較的低コストです。石油系の溶剤で洗うので油性の汚れは良く落ちますが、汗、食べ汚しなどの水性の汚れは落ちません。
今ではほとんどの着物・和服のクリーニングは3.の丸洗いが主流となっています。丸洗いといっても、着物はシルク素材なので水洗いは出来ません。必然的にドライクリーニングなってしまうので、汗汚れが取れない。汗の成分が残り、せっかくクリーニングしても、将来的に黄ばみや黄変を免れないのです。
マイクロバブルで着物の水洗いを実現

地下水脈から取水した天然水から、ミクロ(極小)の泡を作り泡の力できものを洗います。

ミクロの泡は繊維の微細な部分まで入り込み、汚れを掻き出します。水による繊維の膨潤、チヂミ、風合いを損ねることなく、汚れを除去するというのがマイクルバブル洗浄の仕組みです。
クレアンの着物・和服クリーニングは、油性、水性の汚れを判断し、マイクロバブル洗浄とドライクリーニングを組み合わせで、最も良い仕上がりとなるように作業いたします。
着物クリーニング前処理と染み抜き

クリーニング前の検品です。襟周り、袖口、裾の汚れ、シミのチェックをして、前処理、シミ抜きを行います。

本洗いする前の前処理。汚れの多い部分はブラッシングしておきます。

着用すれば、襟元、袖口は必ず汚れています。

シミの部分は、シミ抜き溶剤で軽くたたき溶かしていきます。

強い汚れシミは、溶剤を強く噴射する“染み抜きガン”で落とします。シミはその種類によって様々な溶剤や器具を使い除去します。また変色してしまっているシミは漂白作業で復元します。
着物・和服の復元修復

変色してしまったシミ、カビはシルクの漂白には限界があり、復元できないものも多くあります。その場合は、「色掛け」という高い技術による染色方法で復元します。
抹茶のシミ
お茶席で抹茶を膝にこぼしてしまいました。白い模様の上にもかかってしまい、クリーニングのシミ抜きをしても、色が取れません。白い部分は色をのせることが出来ませんでしたので、特殊な溶剤で少しづつ緑の色を消していきました。
上記以外の事例も着物・和服のビフォー・アフターにさまざまな事例を掲載しておりますのでそちらもあわせてご覧ください。
着物・和服のビフォーアフター様々な着物・和服の数々

クレアンのきもの・和服クリーニング工房には、いろいろな種類の和服・着物が入ってきます。

帯も名古屋帯をはじめ、袋帯・兵児帯などさまざまです。

こちらは婚礼用花嫁衣装です。

七五三などの子供用和服も季節に入ってきます。

神社仏閣の法衣です。和服の集大成といえる法衣のクリーニングには、和服クリーニング粋を集めた技術が発揮されます。
着物のアイロン仕上げ

乾燥が終了すると、振り袖、訪問着、留袖、浴衣、羽織、男物などの一般和服が手アイロンで仕上げられます。

きものの素材も様々です。銀糸、金糸で織られたものや刺繍されたものなど、業務用アイロンで蒸気の量を微妙に調節しながらプレスしていきます。
真空パック加工

着物・和服の真空パックは、酸素を抜いて無害な窒素ガスを混入します。酸素がない状態ですので保管状態としては完璧です。湿気もありませんのでカビも完全に予防できます。
着物の包装・発送

着物・和服は大小のきもの専用のタトウ紙に包装されます。

タトウ紙で包装された着物・和服は更にプチプチで覆われ。ダンボールに梱包されて、お客さまに届けられます。