ファッション業界が社会の動きや政治、経済と密接な関連があってトレンドを生み出すことはみんなが知ってるとおりです。
そんなファッション業界がリアルファー、リアルレザーからすでに離れてしまっていることも周知の事実です。
ただ、数年前までは「リアルファー=悪」という風潮もあったのですが、この波自体がSNSによって操作された情報で、リアルファーの製造工程では決して動物虐待は行われていないとする見方もあります。
しかし世界を牽引するブランドたちはファーフリー宣言をしないとマズい状況で、最新のファッション誌を見てもリアルファー、リアルレザーによるブランドアピールはほぼ見かけません。
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クローゼットのリアルファー・リアルレザーを大切に!
ここでちょっと気になるのは、「リアルファー、リアルレザーはこれから着ない方が良いの?」という疑問です。
クローゼットの中に、レザージャケット、ムートンコート、ファーのついたダウンジャケットはありませんか?
日本人は周囲との調和を大切にする人種なので、もしかするとリアルファー・リアルレザーを着ることに躊躇している人もいるかもしれませんね。
クレアンとしては、お手持ちのリアルファー・リアルレザーを大切にしてほしいと思っています。
リアルファー・リアルレザーは本来素晴らしい素材で、きちんとお手入れをすれば何年も何十年も使うことができるエコな素材でもあります。
リアルファーの代替品として進化し続けているのが「エコファー」ですが、果たしてエコファーはリアルファーよりも本当にエコなのでしょうか?
動物の命を奪うという視点で考えると、リアルファーは完全にNOです。しかし、いただいた命を余すところなく使うと考えると答えは違ってきます。
お気に入りのリアルファー・リアルレザーを破棄してしまうこともエコではありませんし、気持ちの上でもスッキリしないのではないでしょうか。
これから選択するファッションとしてエコを意識するのはとても良いことです。
でも、大切にしたいリアルファー・リアルレザーがあるなら、メンテナンスを繰り返して末長く着てもらいたいとクレアンは考えます。
ムートンコートのリカラー(染め替え)事例
こちらのお写真をご覧下さい。
トレンドに関係なくとっても使いやすいカラーのムートンコートなのですが、全体的にムートンやファーがくたびれている印象で、よく見るとカビが発生しているんです。
ムートンやレザーはカビが生えやすい素材なので、クローゼットに保管しておくだけでこのようになってしまうことも本当によくあります。
ムートンコートが真冬の雪や雨で濡れてしまったら必ず乾燥させてからしまって下さいね。
ムートンコートのカビは落とせるの?
「ブランドコート、ブランドダウンのカビ除去はクレアンにお任せ下さい」でもお伝えしたとおり、コートの表面に浮いている白カビなら払うだけで落とすことができます。しかし、今回のムートンコートのように黒や茶色に変色してしまったカビを落とすことはできません。
プロの腕でクリーニングをしてもカビ跡が残ってしまうのです。
リカラーでカビを目立たなくする
ここまでカビが生えてしまったムートンコートは、クリーニングの後にリカラーでカビが隠れるような色をのせる補修を行うことをおすすめしています。
カビはムートンを侵食するので、クリーニングで洗った後はボコボコとしたへこみができてしまいます。カビの変色と、このへこみが目立たなくなるように元のお色よりも濃い色を全体にのせるのです。
こちらはGUCCHIのレザージャケットをモスグリーンにリカラーを行った事例です。
元は上質な素材が使われている白いコートで、身頃、袖、ポケット、襟の全てが凝ったデザインになっています。しかし白は汚れが目立ちます(涙)
ところどころ薄汚れていて、しみ、黒ずみがあったのですが、レザー専用のクレンジングで汚れを落としてリカラーを施したことで、美しくよみがえりました。
すでに仕上がっているコート全体を染め替えるのは非常に高度な技術と根気が必要な作業なのですが、さまざまな道具を使い分けながら少しずつ少しずつ仕上げていきます。
こちらは先ほどのカビが生えたムートンコート。ダークブラウンにリカラーを施しました。
コート全体を、しかもファー部分には一切色を付着させることなく色変えを行いました。
レザー専用クレンジングでコート全体を丸洗いしたことでファーのふわふわもよみがえりました!
カビの跡も全くわからないのではないでしょうか?
ムートンのような柔らかな素材の場合、染料によって少し手触りが変わってしまうことがあるのですが、なるべく変化を少なくするように細心の注意を払っております。
間違ってもガビガビ・パリパリになってしまうようなことはありませんので安心して下さいね。
すごく簡単!ムートンコートのメンテナンス方法
ウォークインクローゼットのような開放感のある風通しの良い収納場所ならカビも生えにくいかもしれませんが、そもそも高温多湿の日本ではムートンコートの保管は難しいかもしれません。
特に注意を払いたいのが、シーズン中に濡れたまま、汚れたままクローゼットに閉じ込めてしまわないこと。
室内でしっかり乾かしてからクローゼットに戻して下さい。
着用後は毎回軽くはたいてホコリを落として洋服用のブラシでブラッシングをします。ブラッシングには毛並みを整える効果とカビ菌などの汚れを落とす二重の効果があります。
オフシーズンの間もたまに様子を見て、天気の良い日に日影に干して風を通してあげると良いですよ。特に梅雨時期は晴れた日を狙って陰干しを行なって下さいね。
保管サービスも承っています
ご自宅での保管に不安がありましたら、クリーニング後のコートをクレアンで保管させていただくことも可能です。
24時間365日、空調によって温度・湿度が管理されていますので、カビ、ダニ、日焼けによる変色などの心配がありません。
ムートン、リアルファー・リアルレザーなどの保管に最適な環境になっています。
大切な衣類のメンテナンスはクレアンにお任せ下さい
クリーニングのお店はたくさんありますが、ムートンコートを安全に洗うことができて、全体の染め替えができるクリーニング店はクレアンくらいかと思います。
ブランドコート、ブランド衣類、1点もの、オートクチュールなどの大切な衣類のクリーニングは安心してクレアンにお任せ下さい。
ご覧いただきましてありがとうございました。