実は難しい!布・キャンバス・ナイロンバッグのメンテナンス


いつもクレアンをご利用いただきましてありがとうございます。
クレアンはオーダーメイドクリーニングのお店として、鞄やバッグの特殊なメンテナンスも承っています。

どんなメンテナンスができるの?

ご注文いただくお品物は、LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)、BALENCIAGA(バレンシアガ)、CHANEL(シャネル)、HERMES(エルメス)、PRADA(プラダ)、LOEWE(ロエベ)、CELINE(セリーヌ)、BOTTEGA VENETA(ボッテガヴェネタ)、MARNI(マルニ)、Maison Margiela(メゾンマルジェラ)、Valextra(ヴァレクストラ)、TOD’S(トッズ)などのブランドバッグが多く、メンテナンスの内容としては、

・クリーニング、シミ抜き
・破損、破れ等の修理
・染め替え、染め直し
・メッキの再加工

など多岐にわたります。
また、男性のお客様からのご注文にはビジネスバッグのメンテナンスもよくあります。
角や底がスレていると取引先での印象も良くありません。質の高いバッグは常に美しくしていたいですね。

女性のお客様からご好評いただいているのがCHANELのチェーンバッグ マトラッセのチェーン部分のクリーニングです。

クレアンならバッグ本体はもちろん、チェーンの分解洗浄もできますので本当にピカピカによみがえるんですよ!
オーダーメイドクリーニングのお店ですので、「こんな修理もできる?」というご希望がございましたらご遠慮なくお問い合わせくださいね。

 

実は難しい布・キャンバス・ナイロンバッグのメンテナンス


今日ご紹介するメンテナンス事例は、布・キャンバス・ナイロンバッグのメンテナンスです。
「布のバッグだから洗えるんじゃないの?レザーよりも簡単に補修できそうだけど?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし実際は、スムースレザーのメンテナンスは可能でも、布・キャンバス・ナイロンバッグの補修を受け付けているところはかなり限られています。

その理由は、非常に高度な技術が必要だから。
世の中は機械化、IT化がどんどん進みますが、バッグメンテナンスには職人の技が欠かせません。
お客様からお預かりするバッグはひとつひとつブランドも状態も全く異なりますしご希望も違います。マニュアル化できない技術が必要になるので、高い技術と経験、手間暇が必要なのです。

本当に嬉しいことにクレアンではこの超高度な技術を持った職人が惜しみなく腕を発揮してくれているので、僭越ながら他店では真似のできないメンテナンスが可能なのです。

 

ナイロンバッグの汚れ落とし・染め直し事例


こちらはポータークラシックのヘルメットバッグです。
ポータークラシックは2007年に東京の浅草に創業した工房です。一貫したメイドインジャパンにこだわっていて、「刺子」を用いた刺繍、コットンを藍染した丈夫な生地でデザインされた自然な色落ちを楽しむことができるウェアなどが人気を博しています。

ヘルメットバッグは、スーパーナイロンという特殊な素材をインディゴ混の染料で染めることで、デニムライクなバッグを実現しています。
使い込むほどにヴィンテージ感が出てきますので、メンテナンスを繰り返しながら長く愛用する楽しみがあります。

お写真のヘルメットバッグも長年使い込まれた味わいがあるのですが、本来美しい紺色のはずが、色褪せが目立っていて全体的に汚れています。

また、これはどのようなバッグにも言えることなのですが、人の手が触れる持ち手は必ず汚れます。

このヘルメットバッグも使い込まれたことによって持ち手が白化しているのがわかります。

 

このバッグのメンテナンスの難しさ

クレアンのバッグメンテナンスでは、必ず最初にバッグ専用のクリーニングを行います。レザーならレザー専用の特殊なクリーニングを行い、キャンバスバッグなら接着剤やレザーパーツに配慮しながらまずは全体を洗うのです。
バッグ全体に付着している汚れを落とすことでシミの正体がわかり、必要な洗浄成分を選択しやすくなるためです。

しかし、このヘルメットバッグは全体にインディゴ染めが施してあり、水に濡れたり摩擦で色落ちしますので安易に洗うことはできません。
また、シミがあるからといって漂白剤を使ってしまったらその部分だけ色が抜けてしまいます。
つまり、このバッグは生地は丈夫なナイロンなのですが、打つ手がないと言っても過言ではない非常に特殊なバッグなのです。

 
しかしバッグの汚れを落とさなければ全ての作業は始まりません。
まずは特殊な溶剤を用いて、染色の具合と汚れ物質、汚れの程度などを測ります。相手を知ることで対策を立てるわけです。
無事にバッグに最適なクリーニング方法が見つかり全体を洗うことができました。

しかし、汚れが落ちても色褪せは元に戻りません。
続いて行う作業は染色です。
こちらのバッグ本来のお色と同じ色の染料を調合して、丁寧に丁寧に色をのせていくのです。
すでに完成しているバッグを細部まで染め直すと考えたら、どのくらい難易度が高い作業になるか想像しやすいのではないでしょうか?

企業秘密になってしまうことも多いため作業中のお写真はなかなかお見せできないのですが、メンテナンス前と後のお写真を比べていただいたら美しさがよみがえっていることが一目瞭然かと思います。

バッグ全体です。

全体的に色褪せて汚れも目立ちましたが、バッグ専用のクリーニングでさっぱりと汚れを落として藍色で染め直したことで、深いデニムのような色合いになりました。


ステッチの周りや生地がふくらんでいるところは摩擦が多いので、やはり白化しやすいのですが、少し色をのせては乾燥させて、さらにのせて乾燥させて・・・と、何度も繰り返し染色したことで深いインディゴブルーが馴染みました。


持ち手の汚れ・色褪せもこのとおり!
こうしてみると、本当にデニムバッグのようですがナイロンなんですよ。
ナイロンはデニムよりも軽いし衣類との摩擦も少ないという嬉しいメリットがあります。それでいてデニムライクなヴィンテージ感を楽しめる優れたバッグですね。
これからも長くお使いいただくお手伝いができましたことを心より嬉しく思っております。

 
今回は特殊なナイロンバッグのメンテナンス事例をご紹介させていただきましたが、クレアンは布・キャンバス・ナイロンバッグ、それからレザーバッグのメンテナンスでは最高の技術がございます。
クリーニング、修理、染め替え、染め直しなどのご希望がございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。
ご覧いただきましてありがとうございました。