通常「洗えない」とされるオイルドジャケットの水洗いクリーニングと再オイルド加工の詳細について、2回に分けてご紹介します。
オイルドジャケットはワックスを塗ってあるので、ワックスジャケットとも呼んでいます。
代表的なブランドは「バブアー」で、「フィルソン」や「ベルスタッフ」等もよく知られています。
バブアー(Barbour)はバーブアやバーブァーと発音する人もいます。
さてバブアーのクリーニングですが、洗ったりお湯で拭いても、防水オイルをとれてしまうため、洗うことができません。
クリーニング店に持って行っても断られるか、やってくれるところでも、汚れや砂埃をブラシで払い落とし、
水を含ませたスポンジなどで軽く表面を拭き取るぐらいの「お手入れ」しかやってくれません。
洗濯表示はすべて×、クリーニングしてはいけない商品なのです。
ドライクリーニングなどとんでもない。
防水オイルがすべて抜けおち、さらにドライ溶剤が汚れてしまうのでクリーニング店はやりません。
こんなやっかいなジャケットですが、クリーニングとメンテナンスが出来ます。
コットン地にオイルが塗られていることで汚れが付着しやすいので、
それを洗い流し、取れたオイルにかわって、再オイルド加工を施します。
バブアーのリプルーフ用のワックスはモーターのオイルの臭いがすると嫌う方もいます。
どうやら機械油を使用しているようです。
そこで動物油と植物油を調合、
それに自然界の消臭効果のある成分を配合して特別なオイルを作りました。
以下バブアー(Barbour)オイルドコートのクリーニング工程です。
バブアーの風合いを変えずに洗う。オイルを取らずに出来る限り汚れだけを除去する方法です。
洗い方は、手洗いと弱い水流による水洗いです。
グルコン酸とクエン酸が配合されて作られた石けんを使用。
洗浄力が高いいので、オイルドクロスの表面についた汚れを取りますが、オイルにはあまり影響を与えません。
エリ部分など汚れた部分を柔らかいブラシで軽くブラッシングします。
特にエリは汚れに混じった皮脂がこびりついています。
次に汗などで汚れている内側の汚れを取ることと外側を全体的にきれいにする洗濯を行います。
2槽式洗濯機で洗い方をデリケートにセットして軽く洗います。
しばらくすると、汚れをふくんだ石けん液のアワが浮かんできました。
この様子を見ながらこの泡がなくなってきたら終了します。
泡がなくなると言うことは汚れが石けんで溶かされたという事になります。
石けんの泡は石けんの洗浄力が残っているかを判断する目安となります。
次に脱水です。
オイルドコートは硬い風合いが特徴なのできつく脱水してしまうと繊維が折れてしまうことがありますので、
ゆすいだら脱水無しで「ダラ干し」を行います。
水がしたたり落ちるにまかせて自然乾燥します。
実は「ダラ干し」は、脱水しない分だけ、シワが少なく済みますので、仕上げがラクになる利点もあります。
次回は、さらに特別な工程である、再オイルド加工の作業についてご紹介します。
オイルドジャケットの水洗いクリーニング、再オイルド加工②→https://www.clairen.jp/press/2013/12/209.html
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