オイルドジャケット・オイルドコートを楽しもう!クリーニングとリプルーフ

いつもクレアンをご利用いただきまして、ありがとうございます。
オーダーメイドのクリーニングを承っているクレアンには、本当にいろいろなお洗濯のお問い合わせをいただきます。
今回はその中から、「オイルドジャケット・オイルドコート」の取り扱いとクリーニングについてご紹介します。

オイルドジャケット・オイルドコートとは?


オイルドジャケット・オイルドコートは、生地の表面にオイルを塗りこんであるジャケットです。特に有名なブランドが英国のBarbour(バブアー)で、もともとは極寒の安定しない天候の元で働く漁師、水夫、港湾労働者向けに防水アイテムとして開発されたものです。
現在の日本では実用面ではなくオシャレアイテムとして愛用しているファンの方がたくさんいらっしゃいます。

 

オイルドジャケット・オイルドコートは取り扱いが難しい


濡れたような独特の光沢を楽しめるオイルドジャケット・オイルドコートですが、実は取り扱いには注意が必要で、普段着のように楽しむには少し難易度が高いアイテムになってしまいます。

オイルが移染する

コートの表面はしっとりとした質感があるのですが、この質感はオイルそのものなので、強くこすれたり長時間触れていると移ってしまうことがあるんです。
たとえば、電車で隣に立っている人のコートに長時間触れているとそのコートにオイルが付着することがあります。
車や電車のシートや背もたれに移ってしまうこともあります。
そのため、バブアーでは移染が気になる場所ではコートを脱いで裏返し丸めておくことを推奨しています。

自分が着ている洋服にオイル移りが発生することもありますし、クローゼットの中で他の服に移ってしまうこともあります。

臭いが強くなってくる

臭いに関するご相談もよくあります。
表面のオイルは紫外線や乾燥で変化してしまうので、時間が経つごとに臭いが強くなってしまうのです。

さらにご家庭で洗うことができないため、着用によって付着する臭い成分も蓄積されますし雑菌の繁殖もひどくなってしまいます。
これらの臭いが気になって着られなくなってご相談下さるお客様もたくさんいらしゃいます。

元々厳しい環境で働く人向けに作られた防水・防寒アイテムなので、日本のタウンユースではどうしても扱いにくくなってしまうのです。

 

クレアンに寄せられるオイルドジャケット・オイルドコートの相談とは?

クレアンによく寄せられるオイルドジャケット・オイルドコートのご相談は大きく3つあります。

1.洗ってほしい(クリーニング希望)

オイルドジャケット・オイルドコートはご家庭の洗濯機で洗うことはできません。
こちらはバブアーオイルドジャケットの洗濯表示です。

マークの意味は向かって左から「家庭での洗濯禁止」「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」「アイロン禁止」「ドライクリーニング禁止」になります。
ご家庭で洗えないということで、街のクリーニング店に持ち込んだとしてもこの洗濯表示を見たスタッフさんから「うちではちょっとお預かりできません・・・」と言われてしまう可能性は非常に高いです。

なぜかというと一般的なクリーニング店では、水洗いできないもの、型崩れやダメージが気になる衣類は水を使用しないドライクリーニングで処理をするのですが、このコートはドライクリーニングも不可となっているためクリーニング店でも洗えないから。

しかし、水洗いもドライクリーニングもダメと言われても、清潔好きな日本人は洗わないコートを着続けることに抵抗があるものです。
ご家庭で洗えないから近場のクリーニング店に依頼したけど断られてしまって・・・というお客様からクレアンにご相談を受けることも本当によくあるのです。

ちなみに、洗濯機でも手洗いでも、オイルドジャケット・オイルドコートをご家庭で洗うことは絶対に避けましょう。
コートからまだらにオイルが落ちて見た目が悪くなりますし、コートの裏地にオイルが移ってしまいインナーが汚れてしまいます。

2.リプルーフ(再オイル加工)してほしい

リプルーフはオイルドジャケット・オイルドコートに再度オイルを塗りこむことです。
着用を続けているとどうしても経年変化によってオイルが薄くなってくるので、塗りなおして風合いをよみがえらせたいというお客様も多くいらっしゃいます。

●リプルーフご依頼のお客様の声↓

オイルドコートのクリーニングとリプルーフに大変満足です

オイルドコートのオイルの入り具合が理想的でとても満足しております

3.オイルを抜いてほしい

オイルドコートなのにオイルを抜くの?と不思議に思われるかもしれませんが、やはり製品の特性上、買ってはみたものの日常使いができないと感じるシーンも多くあります。
コートなのに外で脱がないといけなかったり、洗えないとなると汚れも臭いも気になってくるでしょう。
特に気になるのは臭いです。長期間洗っていない衣類特有の臭いも発するようになりますし、鉱物オイルが酸化したような臭いを放つ場合もあります。

オイルをさっぱり抜いてしまって、さらっとした風合いのコートとして楽しみたいというお客様からのご相談も多いのです。

●オイル抜きクリーニングをご依頼のお客様の声↓

Barbour(バブアー)のオイル抜きクリーニング。綺麗な仕上がりで満足しています

 

クレアンのオイルドジャケット・オイルドコートクリーニング

クレアンではオイルドジャケット・オイルドコートのクリーニング、リプルーフ、オイル抜きの全てを承っています。

まずはクリーニングから

仕上がりの状態に関わらず、まずはクリーニングで古いオイル、汚れ、臭いを落とします。
クリーニング方法は2つあります。
ひとつはウェットクリーニング。水+天然石けんで洗いますので、汗、皮脂などのコートに付着しやすい汚れも古いオイルもさっぱり落とせます。

もうひとつはドライクリーニングです。
洗濯表示でドライクリーニングがバツになっている理由は、油溶性のドライ溶剤で洗うことでコート表面のオイルが落ちてしまうからなのですが、古いオイルを落とす目的であればドライクリーニングが適しています。
洗い方はコートと汚れの状態で判断することになりますが、ご希望がございましたらご遠慮なくお伝え下さいね。
どちらのクリーニングでも古い油のような嫌な臭いはかなり軽減されますよ。

リプルーフと使用するオイル

クリーニングをするとかなりオイルが抜けた状態になりますので、質感をよみがえらせるためにはリプルーフが必須となります。
クレアンのリプルーフで使用するオイルは動物性オイルと植物性オイルを調合したもの。元のオイルよりもかなり匂いが軽減されていて、生地への定着も良くなっています。

向かって左がリプルーフ前、右がオイルを塗布した状態です。

オイルを塗った方が濡れたような質感になっていることがわかりますね。
作業はまだまだ途中です。塗りすぎに細心の注意を払いながら細部まで薄く何度もオイルを重ねては乾燥させて、繊維に定着させていきます。

仕上のアイロンをかているところです。

リプルーフ中の写真ではオイルが生地の上で光ったような状態になっていましたが、乾燥させては薄く塗って・・・と何度も繰り返すことでオイルと生地がなじんで、よりしっとりした上品な質感になります。

このあと丁寧にブラッシングをしてお包みするのですが、「お客様にご満足いただけますように」「笑顔になっていただけますように」「何十年も長く着続けていただけますように」と心をこめてブラシをかけることで仕上がりが違ってくるような気がします。
お顔が見えないお付き合いとなりますが、スタッフ全員気持ちはいつでもお客様とつながっています。

オイル抜きクリーニング

オイル抜きでは、白いシャツをコートの下に着てもオイル移りがないくらいのレベルまでさっぱり抜くことができます。

ただし、元々オイル加工してあった生地からオイルを抜いて仕上げることになるので、質感や見た目は大きく変化します。
クリーニング作業で色が抜けることはほぼありませんが、仕上がりはサラッとしたコットンコートのようになり、色も薄くなったように感じられるかもしれません。
また、元のオイルのムラ、濃淡が目立つこともあります。

美しく仕上げるならリプルーフ加工をおすすめしますが、オイル抜きの状態をワンシーズン楽しんでいただいて、物足りないようでしたらリプルーフをするという方法もあります。

 

クリーニングは数年に1回でOK

ひどい汚れをつけてしまった場合は早めのクリーニングをおすすめしますが、クリーニング+リプルーフは数年に1回で十分です。
臭いが気になって着られない、洗いたいけど洗えなくてずーっとクローゼットにしまったままになっている・・・そんなお悩みがありましたらお気軽にクレアンにご相談下さいね。

オイルドジャケット・オイルドコートはメンテナンスをすれば何十年でも着られるようにできています。ぜひ伝統あるコートに愛着を持ってファッションを楽しんで下さい。

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