時間が経ち、汚れや変色が出てしまった一着。
サイズが合わない着物の寸法を出そうと思ったら柄が切れていて仕立て直せない。
そんな理由で、もう着られないかもしれないと諦めかけていたお着物はありませんか?
クレアンでは、大切な着物を「また袖を通せる状態」へ導く修復・再生のご依頼も承っています。
今回は、高度な染色技術・職人の手仕事によって蘇った4つの事例をご紹介します。
「これが同じ着物…?」と思わず驚くようなビフォーアフターの変化をぜひご覧ください。
絞り柄を活かして染め替え。黒地で柄が引き立つ一着に
全体に日ヤケと色あせが進んだ絞り柄の振袖。
もとの紫地はすっかり印象が薄くなり、「どうにかきれいにしてまた着られるようにしたい」とのご相談をいただきました。
クレアンでは、もとの柄を活かしたまま、地色のみを黒に染め替える方法をご提案。
黒地にすることで、ぼやけていた柄に深みとコントラストが生まれ、絞り柄特有の立体感や色彩がはっきりと際立つようになりました。
染料が柄にかからないよう、ひとつひとつ丁寧に伏せ加工を施し、黒染め後もムラなく美しく仕上げています。
「新しい着物のように生まれ変わった」と、お客様にも大変ご満足いただけました。
訪問着の変色を金銀の柄足しで上品にカバー
長年タンスにしまっていた訪問着に、カビによる変色が現れてしまったご相談です。
地色のクリーム色部分に点々と濃いシミが目立ち、漂白処理だけでは落としきれない状態でした。
そこでクレアンでは、変色箇所に金銀の柄を足す加工をご提案。
既存の柄の流れや全体のバランスを見ながら、控えめな金銀の加工を施すことで、上品に仕上げました。
柄として自然に見えるようデザインにも配慮し、「汚れを隠した」ではなく「意匠として美しくなった」という印象に。
大切な一着を、また気持ちよくお召しいただけるよう丁寧に対応しています。
加賀友禅振袖の“切れていた柄”を自然に再現
ご相談いただいたのは、「立派な振袖をいただいたが、身幅を広げようとした際に、柄が途中で切れてしまっていた」というケース。
解いてサイズを調整しようとしたところ、表地に6センチ以上の無地部分が現れてしまい、そのままでは着られない状態でした。
クレアンでは、この無地の空白部分に、元の柄と同じ文様を新たに描き足す修復をご提案。
加賀友禅に精通した職人が、隣接する柄の流れ・色合い・筆致を忠実に再現し、自然に溶け込むよう細やかに染色していきました。
結果として、柄のつながりにもまったく違和感がなく、表から見れば補修箇所が分からないほどの仕上がりに。
一見しただけでは“足した”とは思えない完成度に、お客様からも「まさかここまで自然になるとは」と驚きのお声をいただきました。
通常のクリーニングでは落とせないシミ。染色技術で美しく修復
写真は、絞り柄の振袖に口紅のシミが残ってしまった状態。
時間が経過したことでシミが酸化し、通常のクリーニングやシミ抜きではまったく取れない状態になっていました。
クレアンでは、このように変色したシミに対して「染料による色補正=染料掛け(色掛け)」という高度な技術で対応。
生地の風合いを損なうことなく、柄の一部として自然に仕上がるよう細心の注意を払って作業を行いました。
一般的なクリーニングでは対応できないトラブルこそ、素材・技法・染色に精通した職人の技が必要です。
「もう着られないかも…」とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。
着物に込められた想いを、もう一度かたちに
「他店で断られてしまった」「クリーニングではどうにもならなかった」
そんなお悩みを、クレアンは何度もお客様と一緒に乗り越えてきました。
大切なお着物に、もう一度袖を通していただけるように、素材、技法、柄の意匠まで丁寧に見極め、一点ずつ、その着物にとって最善の方法をご提案いたします。
どんなお困りごとでも、まずはお気軽にご相談ください。
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