ポロ・ラルフローレンのレザージャケット|スープ染みの修復事例

LEATHER / CLAIRE UNE

ポロ・ラルフローレンのレザージャケットスープ染みの修復事例

レザージャケットのロゴ近くに残ったスープ染み。汚れと革の状態を見極め、ロゴを守りながら洗浄や色の調整をどう検討するかをご案内します。

レザージャケットの汚れと色を確認
レザージャケットの汚れと色を確認

作業台に届いたのは、ロゴの下に濃いシミが残る一着

ポロ・ラルフローレンの牛革スムースレザージャケット。表面になめらかな表情がある一方で、ポロプレイヤーのロゴのすぐ下には濃いシミが残り、周囲にも小さな跡が点在していました。服全体はまだ魅力的なのに、その一箇所へ目が向いてしまう状態でした。

汚れの様子からは、スープのようなものが付いて時間が経った可能性が考えられました。何が付いたかを断定するのではなく、革と汚れの状態を観察して作業を組み立てます。この事例では、洗浄に加えて色を整えるリカラーを組み合わせました。

強く抜くより、洗浄と色の修正を使い分ける

スムースレザーには表面の仕上げがありますが、汚れが長く残ると、通常の洗浄では取りきれないシミになることがあります。目立つ跡だけを薬剤で追い込むと、周りの色や表面まで傷めるおそれがあります。きれいにしたいからこそ、無理に抜き続けない判断も必要です。

洗浄は汚れを取り除く工程、リカラーは残った色の差を周りになじませる工程です。同じ目的に見えても役割は異なります。今回は、革を洗って状態を整えた後、残るシミに合わせて補色を進める方法を選びました。ロゴや装飾の近くでは、それらを保護しながら細かく扱います。

まずは襟元と全体の汚れを落とし、革の状態を整える

目立つシミに取りかかる前に、レザーに適した洗浄剤でジャケット全体を洗います。襟元には皮脂汚れが重なり、脇の下などよく動く場所にはシワや擦れも見られます。一箇所だけに注目せず、普段の着用で変化した部分も確かめていきます。

全体を洗浄することで、次に整えるべき色や表面の状態が見えてきます。汚れが付いたまま色を重ねるのではなく、下地となる革を先に整えることが、その後の仕上がりにつながります。

筆とエアブラシで、少しずつ周囲の色へ近づける

補色では、周囲の革の色を見ながら染料や顔料を調整します。茶色に見える革でも、色の深さや光沢、使い込んだ部分の変化は一様ではありません。修復箇所だけが塗ったように浮かないよう、色と質感の両方を見ていきます。

筆とエアブラシを使い分け、一度に厚く覆わず、薄い層を重ねて整えます。細かなシミや線状の傷には細部の調整を行い、その後で全体とのなじみを確認します。レザーらしいなめらかさを残すため、隠す力だけでなく、塗り重ねる量にも気を配る作業です。

最後は局所的な修正と全体の見え方をつなぎ、違和感が出ていないかを確かめます。写真にはこの事例の部分修正と仕上がり、エアブラシによる補色作業の一例を掲載しています。

同じ革ジャケットでも、できることは素材によって変わる

この事例で扱ったのは、表面がなめらかなスムースレザーです。起毛したスエードや表面加工の少ないヌメ革は性質が違い、同じ補色方法では質感が変わることがあります。お品物ごとに、どこまで色を整えられるかを確認します。

今の色に近づける補色と、全体を別の色にする色替えも別のご相談です。どんな見え方にしたいか、ロゴや風合いで残したい点は何かをお知らせください。ご家庭でシミ抜き剤やアルコールを使う前に、全体と気になる部分の写真をお送りいただくと、今の状態を確認しやすくなります。

一つの修復例が、すべてのシミを同じように直せるという意味ではありません。それでも、洗浄だけで難しいからと諦める前に、補色を含めて選択肢を確かめることはできます。もう一度この一着を着たいという思いから、ご相談を始めてください。

革のシミと補色についてのご質問

Q.スープの油ジミを自宅で拭いても大丈夫?

水や洗剤を使って強くこすると輪ジミや色落ちの原因になり得ます。まず写真を撮り、素材を確認してください。

Q.ロゴの近くも処理できますか?

装飾や縫製の状態を見て、保護方法と対応可否を判断します。

Q.元の色に完全に戻りますか?

革の経年変化や染色状態により差が残る場合があります。希望の仕上がりをお聞かせください。

Q.スエードやヌメ革にも同じ補色ができますか?

素材により適する方法が違います。起毛や自然な風合いが変わることもあるため、このスムースレザーの事例と同じ方法を一律に適用せず、素材と希望を確認します。

Q.元の色ではなく、別の色に変えられますか?

色替えとしてご相談いただけます。ただし、元の色や染色状態によって対応できる範囲が変わります。補色との違いや仕上がりの見通しを含めてご案内します。

料金とご相談

料金は現在の公式表をご確認ください

素材・サイズ・状態・追加作業によって料金や納期は変わります。最新の料金は公式料金表をご確認ください。正式な金額や納期はお見積りでご案内します。

また袖を通したくなる一着を目指して

ジャケット全体、ロゴとシミの近接写真、素材表示、気になる色むらをお送りください。

※対応可否・料金・納期・仕上がりはお品物の状態によって異なります。写真だけで確定できない場合は、現物確認後にご案内します。