BELSTAFF WAXED COTTONベルスタッフのベタつき・オイル臭の再ケア洗浄から考えるリプルーフ
手入れしたはずなのに、触れるとベタつく。前よりニオイが気になり、着る機会が減ってしまった。そんなオイルドジャケットに必要なのは、さらにワックスを重ねることとは限りません。ベルスタッフの再ケアを、洗浄から考えます。

もう一度塗る前に、触り心地を振り返る
ベルスタッフの魅力は、着込んだ布の表情や、体になじんだシルエットにもあります。だからこそ、メンテナンスの後に不自然なテカリや重いベタつきが出ると、どうしたらよいか迷ってしまいます。ワックスが足りないのか、反対に多すぎるのか。見た目だけで簡単に決められるものではありません。
まず伺いたいのは、いつ、どのようなお手入れをしたかです。古い油分や汚れが残った上へワックスを重ねたのか、どの部分が特に気になるのか。前の処理と今の状態をつなげることで、さらに足すべきか、一度洗浄して整えるべきかを検討できます。
手を触れたときの感触だけでなく、襟、袖、ポケットの縁など場所による違いも見ていきます。全体が同じようにべたつくのか、一部分だけなのか。その差を確かめることで、汚れの蓄積やワックスの付き方を考える手がかりになります。

洗い出す工程が、次の仕上がりを支える
クレアンでは、オイルド生地の状態を確認し、温水や洗浄剤を調整して手洗いを行います。表面だけを拭くのでは届きにくい汚れや、古い油分へ対応する工程です。力任せにこすればよいわけではなく、生地や縫い目、付属品の様子を見ながら進めます。
洗浄で油分が減ると、色や光沢の見え方も変わります。その途中の姿だけで仕上がりを判断せず、乾燥後にどのようなリプルーフを行うかまで考えます。ニオイには汚れ以外の要因が重なる場合もあり、すべてを無臭にすることを一律にお約束するものではありません。
古い油分を扱う工程では、裏地やワッペンへ目を向けることも必要です。表地だけがきれいになれば終わりではなく、付属部分の状態に合わせて作業を調整します。過去に張り替えや補修をした箇所があれば、受付時にお伝えください。

急いで乾かさない時間にも、意味がある
洗浄の次は乾燥です。オイルが落ちたから、すぐ新しいものを塗るという順番ではありません。水分が残っている場所や生地の状態を確かめ、次の工程へ進める状態を待ちます。自然乾燥を取り入れるのは、熱や回転の負担を考えるためでもあります。
ポケットや縫い目の重なる部分は、平らな身頃と同じ速さで乾くとは限りません。季節や湿度でも乾燥にかかる時間は変わります。着たい日が決まっている場合は先に伝えていただき、作業と乾燥に必要な余裕を含めて予定をご相談ください。
乾燥中のシルエットにも注意を向けます。生地の重なりがある裾や袖の状態を見て、次の作業へ進められるかを確かめます。見えにくい待ち時間を省かないことも、仕上がりを急いでワックスだけ足すケアとの違いになります。

リプルーフは、量よりも行き渡り方
乾燥後の生地へ、状態に合わせてワックスをなじませます。広い面だけでなく、ポケットの立体部分、折れ目、縫い目の近くなども確認します。同じ厚みを目指していても、凹凸の多い服へ均一に行き渡らせるには、手と目での調整が欠かせません。
目指したいのは、とにかく強い光沢を出すことではありません。元の生地の表情と、着る人が望む触り心地のバランスです。ワックスドコットン特有の感触やニオイは残る場合があります。街着として使いたいのか、普段どのような着方をしているのかも、仕上がりの相談に役立ちます。

他の一着と、同じ仕上げにはしない
工房に並ぶオイルドジャケットは、ブランドだけでなく年代、素材、傷み方もさまざまです。ベルスタッフにも異なる仕様があるため、名前だけで同じワックス量や工程を当てはめることはできません。裏地や装飾、過去の修理箇所も含めて確認します。
戻ってきた後は、湿気のこもるビニールのまま長期間しまわず、風通しのある場所へ。ほかの服へ油分が触れ続けないよう間隔にも気を配ります。リプルーフで傷や破れそのものが消えるわけではありませんが、今の状態に合うケアを選ぶことで、また着るための一歩を考えられます。

再ケアを頼む前の疑問
Q.他店で手入れした品も相談できますか?
はい。作業内容、使用したワックス、手入れ後に起きた変化が分かればお知らせください。現状を確認して対応を検討します。
Q.オイル臭は完全になくなりますか?
汚れや古い油分由来のニオイへ対応しますが、素材やワックス自体のニオイが残る場合があります。無臭の保証はできません。
Q.リプルーフで破れや色抜けも直りますか?
ワックスの再塗布と、破れの補修や染色は別の作業です。気になる箇所を分けて撮影してお送りください。
Q.返却までの期間は?
洗浄、乾燥、リプルーフの内容と受付状況によって変わります。着用予定日とあわせ、現在の納期をご確認ください。
また袖を通したい、その一着へ。
全体、ベタつく場所、表示の写真と、過去のお手入れ内容を添えてご相談ください。
対応できる方法と仕上がりは、お品物の状態によって異なります。写真で判断できない点は、現物確認後にご案内します。